専門看護師とは?
専門看護師とは、特定の分野において専門性が高く、卓越した看護実践能力を有することを日本看護協会に認められた看護師のことを指します。
専門看護師は、患者さんやその家族、地域と連携して質の高いケアを行ったり、現場の人材育成を行います。現場での看護ケアに加えて、より影響範囲が広い仕事をしたり、他職種と連携を取り医療体制を整えることに興味がある人は是非目指してみると良いでしょう。
専門看護師は、日本に約2,100名(2017年12月末時点)ほどしかおらず、狭き門ではありますが、専門看護師になることは大きなスキルアップに繋がると言えます。
現在、専門看護分野には13個の分野が設けられています。
専門看護分野
- がん看護
- 精神看護
- 地域看護
- 老人看護
- 小児看護
- 在宅看護
- 災害看護
- 母性看護
- 慢性疾患看護
- 急性・重症患者看護
- 感染症看護
- 家族支援
- 遺伝看護
専門看護師になるための条件と役割
ハードルが高いと言われている専門看護師になるための条件には、以下のものがあります。
- 看護師資格を保有し、実務経験5年以上・専門看護分野での看護経験3年以上
- 護系大学院の修士課程修了者で、所定の単位(26単位または38単位)を取得
- 専門看護師試験(認定審査) を受け、合格する
このように大学院に進まなければならない為、看護専門学校卒である場合には、大学へ進学・編入することが必要です。その為、専門看護師を目指すのであれば学費の確保もしなければなりません。働きながら大学院に通うことができるコースや奨学金制度もあるので、視野に入れて考えてみても良いと思います。
専門看護師の役割は、以下の6つです。認定看護師の役割にはない、「調整」「倫理調整」「研究」が増えます。
- 個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
- 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
- 必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
- 個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。(倫理調整)
- 看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
- 専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う。(研究)
専門看護師になることによって、身に着けた看護知識を現場に活かせるだけでなく、医療機関や地域全体の看護の質を向上させる等、自身の看護が大きな影響力を持ちます。また、チーム医療への貢献や看護師の指導、現場のリーダーとして活躍の幅も広がります。
しかし、専門看護師になったからといって、必ずしも給料がアップするとは言えません。看護師手当の無い病院や、手当があっても少額である場合も多いようです。
せっかく専門看護師を目指すのであれば、きちんと評価をしてもらえる医療機関を選ぶことが重要です。専門看護師の資格を持つ人のみ応募できる求人もあり、高いスキルを評価されて採用されることもあるので、転職で有利になることが多いようです。
キャリアアドバイザー 吉田