1.【テンプレ】退職願・退職届の正しい書き方
退職願・退職届の見本
①タイトル
・退職願
これから退職に向けて、「退職したい」意思を上司に申し出する書類です。
・退職届
すでに退職が認められた後に「退職する」ことを届け出る書類です。
②私儀
書き出しは私儀(わたくしぎ)と書きます。届け書などで自分のことを言い出すときに用います。
③退職理由と日付
自己都合による退職の場合は、「一身上の都合」を書く。
業績不振による部署の閉鎖や早期退職などの会社都合で退職する場合は、その旨を退職の理由として書くようにしましょう。
退職日は上司と話し合って決めた日を書くようにしましょう。西暦で書いてもいいですが、他の書類などと合わせると良いです。
文末には退職届の場合は、「退職いたします」、退職願の場合は「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」と記載しましょう。
④届け出年月日
退職願・退職届を提出する日付を書きます
⑤所属・署名・捺印
宛先より下の位置に、自分の所属と名前を記載して下に捺印をします。
⑥宛先
病院における責任者へ向けて出すものとなるため、病院長宛になります。間違えても看護部長などにしないようにしましょう。自分の名前の位置よりも上に書くのがポイントです。
2.退職願・退職届を書く際の4つのポイント
2.1用紙はB5かA4の無地の便せん
退職願を書く際の用紙はB5サイズが一般的になります。A4しかない場合は、A4で書いても問題ありません。病院によって用紙サイズに指定がある場合は、それに従って書くようにしましょう。
2.2手書き・縦書きが一般的
退職願の形式は、基本的に手書き・縦書きです。パソコンのWord機能などを使用して作成してもいいですが、手書きの方が気持ちがこもり、退職の意思が伝わりやすいです。退職願の形式が病院で指定がされている場合は、その形式に従って書くようにしましょう。
2.3黒いボールペンか万年筆を使用
退職届を手書きで書くときには、黒色のボールペンか万年筆を使って書きましょう。
公的な書類でもあるため、シャープペンシルや消えるボールペンなど消えてしまう可能性のあるものを使って書くことは止めましょう。
2.4退職理由は「一身上の都合」でOK
退職願に書く退職理由は、自己都合の場合は「一身上の都合」で問題ありません。業績不振による事業部の閉鎖や定年退職などの自己都合以外が理由の退職の場合は、その旨を退職願に書くようにしましょう。
3.封筒の書き方とポイント
3.1封筒は無地の縦書きが基本
作成した退職届は封筒に入れて提出します。
封筒は、縦型の封筒を選びましょう。退職届の用紙のサイズによって、封筒のサイズも変えると良いでしょう。B5で作成した場合は、長型4号。A4で作成した場合は、長型3号を使いましょう。
封筒の色は白色のものを使いましょう。
3.2封筒の書き方
表面:それぞれ封筒の中心に、退職願の場合は「退職願」、退職届の場合は「退職届」と記載しましょう。
裏面:左下に所属部署と氏名を書きます。氏名は所属部署と少し文頭をずらして下になるようにして書きましょう。また、封をした後に〆の印を書いておきましょう。
画像(①表面;退職願・退職届それぞれ ②裏面;退職願・退職届共通)を添付
3.3三つ折りにして封入
退職届を封筒に入れる際には、三つ折りにして入れます。三つ折りをする際の折る順番は以下のようにしましょう。
①退職届・退職願の書いた面を表側にする。
②下から3分の1を上に折る。
③上側の残りの3分の1を下側に折り重ねる。
画像(③3つ折りの画像 ④封入の画像)を添付
4.退職願・退職届を渡す流れとポイント
4.1退職願・退職届を提出するまでの流れ
①作成した退職願・退職届に不備がないかを再度確認する
②直属の上司に一度メールか口頭にて連絡をして、時間を少し取ってもらう。
③退職日の1か月前までには退職願・退職届を上司に渡す
④渡す際には「本当にお世話になりました。ありがとうございました。」というような言葉も添えて渡すようにしましょう。
4.2ポイント
①提出は直属の上司へ
退職願・退職届は自分自身が所属している直属の上司(部長など)に提出しましょう。
お世話になった他部署の上司などに提出するのはNGです。
※退職届は院長宛に書きますが、提出は別の人となるため注意しましょう。
②退職願・退職届は手渡しが基本
退職願・退職届は書類の中でも重要なものになります。机の上に置いておくなどするとなくなってしまうということもあり、できる限り手渡しが良いでしょう。
午前中などできるだけ仕事が中断とならないようなタイミングで様子を伺いつつ、短時間でもいいでの時間を取ってもらい直接手渡しするようにしましょう。
③添え状を同封
退職願・退職届を郵送で提出する際には添え状を同封するようにしましょう。添え状は退職届と同じサイズの用紙で作成をして、退職届に重ねて一緒に三つ折りにします。
5.【Q&A】退職願・退職届にまつわる疑問を解決!
Q.そもそも退職願・退職届は必要?
退職の意思表示は必ずしも書面による必要はありません。本人からの退職の申し出と会社側の承諾があれば、双方の合意によって退職することができます。
労働者側からの一方的な退職の申し出の場合も、その申し出が真意に基づくものであれば、書面による申し出をしなくても退職はできます。
ただ、就業規則に退職時に退職願・退職届を出すことが明記されている場合は、退職届を書いて提出するようにしましょう。
Q.退職願・退職届・辞表の違いは?
・退職願
これから退職に向けて、「退職したい」意思を上司に申し出する書類です。
必ず提出する必要はなく、口頭で申し出ることも可能ですが、書面として出すことで意志の強さを示すことができ、申し出をした証拠としても残ります。
・退職届
すでに退職が認められた後に「退職する」ことを届け出る書類です。
会社の承諾を得て退職が確定した後に退職の意思表示をするために提出する書類です。法的には口頭での申し出のみでもいいですが、事務手続きの記録として提出し、上司との変な揉め事を起こさないためにもいいでしょう。受理された後は基本的に撤回することはできません。
・辞表
経営層が役職を辞めるときや、公務員が職を辞める際に届け出る書類です。
院長などの役員が役を離れる場合に提出するものです。また、国公立の病院の場合で扱いが公務員となっている場合も組織を辞める際に提出するものです。
基本的に勤務の看護師として働いている場合は、退職願か退職届を出すようになります。
Q.提出した退職願・退職届は撤回できる?
どちらも基本的に撤回することはできません。
「退職願」は上司へ退職を願い出るために提出するもので、退職願が承認されて退職が成立するようになります。そのため、承認がされる前に退職願を取り下げることは可能です。
「退職届」の場合は、退職することが決まった後に会社の合意を得るために提出するため、撤回することはできません。
しかし、再度考えてみて、どうしても辞めたくないなと思ったら上司に一度相談して、退職届を取り下げることができないかを一度話してみましょう。場合によっては取り下げてくれるケースもあります。
ただ、退職のリスクがある人材として注意して見られることがあるため、その点だけは注意するようにしましょう。
6.退職はマナーを守って気持ちよく!
退職を申し出される側の上司は今までも何度も経験があるため、慣れている部分はあります。しかし、退職を申し出るあなたは、初めてで慣れていないため、変に気を遣ってしまうこともあるでしょう。
だからと言って一方的に、退職願を突き出して横柄にしてもその後の残りの仕事が大変になってしまいます。
また、決まずくなり仕事をスムーズにできなかったり、上司と距離感がわからなくなるなども起きることもあるでしょう。しかし、退職することは悪いことでもなく、必ずと言っていいほど起きることです。
きっちりと最後は変な気遣いなどをせずに、マナーは守りお互いに気分が良い形で退職するようにしましょう。